日本には第二次世界大戦中、植民地支配のために作られた半官半民の特殊会社と言われる国策会社があることをご存知でしょうか。国策会社は、日本の国家的発展を試みる目的を有しています。商業利用を目的に設立された「日本原燃株式会社」がこれに該当します。主に原発が放つ使用済み核燃料を再処理する事業を担っていますが、この他にどのような特徴や取り組みを行っているかご紹介していきましょう。

日本原燃の概要

日本原燃は1980年に日本原燃サービス株式会社として設立後、1992年に日本原燃株式会社と合併し現在の社名となりました。設立当初は青森県青森市に本社がありましたが、現在は工場に隣接した上北郡六ヶ所村にあります。歴代社長は全員東京電力出身で、現在の社長もまた東京電力元執行役員原子力・立地業務部長です。事業資金は、全国の電力会社10社が再処理のための積立資金で行われ、電力各社はその資金分を電気料金として含めています。

日本原燃の特徴・事業内容

資源の再利用やエネルギーの供給安定を目的に事業内容は多岐に渡ります。

  • ウラン濃縮事業
    原子力発電の燃料に使われるウランを、遠心分離機を利用し濃度を0.7%から3~5%まで濃縮する事業です。
  • 廃棄物埋設事業
    全国にある原子力発電所から運転・点検作業などの際に発生した低レベル放射能性廃棄物を埋設・管理する事業です。
  • 再処理事業
    原子力発電所から出た使用済燃料から、まだ使えるウランや新しく生成されたプラトニウムを取り出す事業です。
  • 混合酸化物燃料製造事業
    イギリスやフランスから返還された高レベルな放射能廃棄物を最終処分するまでに一時的に冷却・貯蔵する事業です。
  • 輸送事業
    再処理工場から送られてきたウランやプラトニウム混合酸化合物を原子力発電所で燃料として使用するために加工する事業です。

日本原燃の新たな取り組み

日本原燃の再処理工場では、2006年3月から使用済燃料を用いたアクティブ試験を行いました。5つのステップに分かれて、使用済燃料を段階的に取り扱う量を増やして高レベル廃液ガラス固化処理する「ガラス固化試験」をスタートさせました。一時は、ガラスの流化性低下などの問題点が生じて試験を一時中断する事態も招きましたが、新型ガラス溶融炉の開発に成功し廃液の処理能力が良好に保たれています。より安定的に運転できるよう今後も世界最高性能と言われるくらいのガラス溶融炉の研究に挑戦し続けています。

核燃料サイクルの中では使用済燃料を再利用する政策において日本原燃は要となる会社です。自国の能力によって使用済燃料の再処理の需要を発揮できていないため、混合酸化物燃料製造事業や廃棄物埋設事業を展開している日本原燃は、非常に重要な存在だと言えるでしょう。

中部電力は、東海地方及び長野県に電力供給している会社です。エネルギー市場においては、環境意識の高まりからエネルギー源を重油から天然ガスへと転換する動きが進んでいます。中部電力でも、これまでの業種や業態を越えたエネルギー市場を形成化されつつあるようです。多様なニーズに対応するために電力をはじめ、ガスやLNG、オンサイトエネルギーなどを提供しています。それでは、中部電力の事業内容ならびに特徴、今後の取り組みについて見ていきましょう。

中部電力の概要

中部電力株式会社は、1951年に電気事業再編成令により日本発送電と中部発送電の共同出資により設立しました。本社は愛知県名古屋市東区にあり、「時代の先へ。ひとりのそばへ。」を事業指針としています。電力供給区域は、愛知県、長野県、静岡県、岐阜県、三重県の一部です。年間販売電力量は1174億8800万kWhにも及び原子力発電にも力を注いでいます。

中部電力の特徴・事業内容

事業内容は、電気事業及びその附帯事業、ガス供給事業、分散型エネルギー事業、蓄熱受託事業、不動産管理事業、IT事業、海外コンサルタント・投資など多岐に渡ります。発電供給設備については以下の通りです。

  • 水力発電所
  • 火力発電所
  • 原子力発電所
  • 太陽光発電所

近年は電気のみにとどまらず、ガスの販売や新規事業の展開も積極的に行っています。中部電力は、各地にPR施設がたくさんあるので電気の仕組みや安全へ取り組みなどの知識を学ぶことができます。「でんきの化学館」「へきなんたんトピア」「名古屋ワイルドフラワーガーデン」「新エネルギーホール」などが設立しているので、電力の仕組みについて楽しく学べるでしょう。

新たな取り組み

中部電力は、2016年4月から電力の全面自由化に向けた新たな取り組みを実施しています。これは、電気を使用している全ての方を対象に電気購入先を自由に選択できるシステムです。今までは、商業施設や工場などにしか自由化が実施されていませんでしたが、小規模事業所や一般家庭も範囲内とされています。これによって、多様な料金プランやサービスの中から自身のライフスタイルに合わせてプラン選びができるようになるでしょう。インターネットを活用したサービスも利用できるようになり、自由化されることで利便性の高い安価なサービスが受けられるようになります。

中部電力は、安定的に電気を送り届けるために様々な取り組みやサービスを提供しています。今後も地球環境問題の課題に対応しながら、持続供給に貢献していくことでしょう。

電気を供給・発電する電力会社は、日本各地に設立されています。一般電気事業者と呼ばれる電力会社は、全国で10の地域ごとに区切られ、各電力会社によって事業内容や特徴は違っています。九州電力は、九州地方7県に電力を供給している会社で現在は海外事業も展開しています。各家庭や事業に安定的に電気を送るために、地域社会と協力しながら電気をお届けしています。そんな九州電力の事業内容、特徴などを紹介していきましょう。

九州電力の概要・特徴

九州電力の正式名称は「九州電力株式会社」、1951年に電気・ガス業として会社を設立しました。本社は、福岡県中央区にあり工場などの産業向け供給比率が多くなっています。九州電力の主な事業地域は、福岡県・長崎県・大分県・佐賀県・宮崎県・熊本県・鹿児島県の全9県です。子会社「九電みらいエナジー」では、九州だけでなく関東地方にも電力販売をしています。再生可能エネルギーを用いた発電プロジェクトにおいては、福島県や山口県などを対象に事業展開しています。

九州電力の特徴・事業内容

九州電力の供給設備は、以下の通りです。

  • 水力発電
  • 火力発電
  • バイナリーを含む地熱発電
  • ガスタービンを含む内燃力発電
  • 原子力発電
  • 風力発電
  • 太陽光発電

発電施設を全て合わせると194箇所もあり総出力は1,931万2,336kWです。また停電減少に向けた取り組み、設備運用、設備管理などの高度化や災害時における早期停電復旧作業も事業内容のうちの一つです。

新たな取り組み

九州電力は長期安定供給を柱に、「総合エネルギー事業」「情報通信事業」「環境リサイクル事業」「生活サービス事業」など新たな取り組みを行っています。快適で豊かな環境を貢献していくために、企業活動の透明化やマネジメント機能、組織風土の改善などにも力を入れています。また国内の電力事業を経て蓄積してきたノウハウを活かして、アジアを中心とした海外電力事業も新たな取り組みです。

メキシコ・トゥクスバン地区において、出力49.5万kWのガスIPP事業、フィリピン・イリハン地区においては、出力120万kWのガスIPP事業、ベトナム南部やバリア・ブンタウ省においては、出力72万kWのガスIPP事業を積極的に進めています。

今現在、世界のエネルギー源となっているのは石油や石炭などの化学燃料が大部分を占めています。その資源には限りがあり、エネルギーの需要がさらに増大することが予測されています。そのため九州電力は、このようなエネルギーを取り巻く情勢を踏まえた上で、エネルギー自給率を永続的に確保するように対応しているのです。